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2021年12月28日

キャンプ場の灯り

こんにちは、MASADA556です。

紅葉の時期も終わり、足早に秋から冬に季節が移り変わってしまいました。
11月いっぱいでほとんどのキャンプ場、野営場は閉鎖され、冬支度に入ります。
場所によっては5メートル以上も雪が降り積もる東北では、峠道や山道の多くは通行止めとなり、ごく一部のキャンプ場を除いて5月頃までお休みです。


かねてから噂に聞いていた野営場の場所をようやく探し出し下見に来たところです。
素晴らしい景観の野営場ですが、炊事場に熊の気配が色濃く残されています。




ここでのキャンプはそれなりの覚悟が必要なようです。

逆に冬季のみ営業というキャンプ場もあります。
メートル単位で降り積もる風雪の中、全てが凍り付くマイナス環境をモノともせず楽しめる、装備と経験を持ち合わせた方々だけが入って行ける世界です。
自分のような軟弱者には到底無理な世界なのです。
その代わり、今度は車中泊をメインとしたアウトドア生活が始まります。
自分的には冬の方が車中泊がやり易くて楽に感じます。
まあ、今時エアコンも無いような車に乗っているので、夏の熱地獄よりは冬の寒さの方が対応しやすいという理由です。
但し、真冬の夜は車内温度はマイナスになるので、しっかりした防寒対策が必要で、不十分な装備では凍死の危険を感じるほどです。
車両にも対策が必要です。
スタッドレスタイヤの装着は当たり前として、スタック対策の装備類も準備するべきでしょう。
最近は法的に装備が義務化されつつあるタイヤチェーン等も準備しておけば、深雪に見舞われた時や、雪道に不馴れなドライバーたちは心強い事でしょう。
ただ、タイヤチェーンはあれば良いと言う訳ではなく、取り付け方に少しばかりコツが必要なので、事前に十分な練習が必要です。
特に関東圏にお住まいの方は、準備を怠らないことです。
例えばタイヤチェーンを準備した。
取り付けかたも練習した。
これでOK、大丈夫。
ではないのです。
良くその時の状況を考えて見ることが必要です。
悪天候による降雪が原因でのチェーン規制となる訳ですから、まずどのタイミングでチェーンを装着するかです。
○○峠積雪によるチェーン規制という表示看板が出ていたとします。
そうなるとどの程度の積雪でチェーンを装着するのか、ちょっと悩むかと思います。
路面が乾いているのに早々と着けてしまいますと、外れてしまったり、最悪チェーンが切れてしまいます。
かといってギリギリのタイミングまで粘ったりするとパーキングスペースに車が満杯状態となり、順番待ちの長い列に並ぶ羽目にもなりかねません。
その間にも雪はどんどん積もっていくので停止状態から登りに向けてのスタートが困難になり、最悪遭難状態に陥ります。
無理に路肩で作業を始めたりすると、今度は渋滞の原因になったり、下手をすると大型車両に車を持っていかれることになります。
無事にパーキングに入ってチェーンを取り付けるとしても、しっかりした防寒着と雨具に長靴、防寒防水の手袋が必須です。
これらが無くては、とても荒天時に野外作業などできません。
例えば、手を剥き出しのまま濡れたチェーンなどいじっていれば、5分もしないうちに冷えきって動かなくなります。
これは冗談話ではありませんよ。


いつ、何処で撮ったか忘れてしまいましたが、強烈な横殴りな風雪にウンザリして道の駅に逃げ込んで、そのまま一泊した時の一枚です。

もうひとつ注意が必要なことがあります。
最近のスタッドレスタイヤは性能がいいので、そこそこの積雪でも登って行けるかも知れません。
面倒だしなんとか走っているから大丈夫だ。
そんな考えで峠道を走っているとやがて目の前に余り考えたくない光景が広がります。
そうです、道というのは登ったらいずれ降ることになっているのです。
降りの雪道は登りの何倍も運転が難しいと言うことを、己の身をもって知る良い機会となるでしょう。
ちょっと大袈裟に思えるかも知れませんが、東北の真冬を甘く見ないことです。
ここ青森県で、過去に立ち往生した車の中で死亡した例が幾つもあるのです。

以上は東北の冬を余り体験したことの無い方向けの話です。

さて、ここからは私個人の意見です。
自分は東北生まれの東北育ちで、青森、岩手、秋田の3県はしょっちゅう走り回っているドライブコースのようなものです。
キャンプや車中泊、名所巡りで夏冬関係なく走っているわけですが、真冬のドライブでタイヤチェーンなどという物を装着して走っている車を見たことがありません。
大型車やタクシー、救急車などの緊急車両がつけているのをたまに見かけるくらいで、どれだけ雪が降ろうが路面が凍結しようが、一般車がチェーンをつけて走るなどということはまずあり得ません。
自分もつけて雪道を走った経験はありません。
と言うか、そもそも持っていません。

大昔に友人の車に取り付けを手伝った程度ですので、取り付けかたも覚えていないのです。
それでも雪道を当たり前に走ってきました。
そもそも殆んどの東北人が、チェーンなど持ってません。
ワンシーズン東北の冬道を体験してもらえれば容易に理解してもらえるのですが、一口に冬道と言っても路面の状況は様々です。
完全に乾燥したドライな路面から、降り始めの新雪、踏み硬められた圧雪状態、圧雪の上面が凍り付く半凍結状態、溶けた雪が際凍結したアイスバーン、固く凍結した圧雪にタイヤが溝を掘ってしまった轍道、一晩で数メートルも積もる深雪、その雪が溶けかかったり、みぞれが大量にふると路面はシャーベット状態になります。
最悪なのは一見ウェット路面に見える凍結路面でミラーバーンと言われる現象です。
一見水なのか凍っているのかまったく分からないため、通勤時に事故が多発します。
東北の冬道というのはこれらの路面状況が数十メートル、数百メートル、数キロメートル毎に次々と現れ、又は混ざり合って現れるのです。
そのような状況下で一々チェーンを着けたり外したりなど、誰も考えない訳です。
またスタックするよりも走行中に車のコントロールを失う方が遥かに危険です。
チェーンを装着することで全く変わってしまう運転特性に、山道の下りなどで対応できなくなるほうが、自分的には怖く感じます。

最近の車関係の冬記事を読んでいると、チェーンは冬のドライブに必須だ。みたいに書かれている記事を見かける事が多くなりました。
自分の経験から鑑みるに、余り雪国事情をご存じないライターが書いた啓発記事程度の認識で斜め読みしています。
法律的に携帯装着が義務化されている地域では携行しなければならないのでしょうが、ここ東北三県ではそのような法もありません。

自分の経験から少しばかり言わせて戴ければ、東北の冬道にもっとも有効なのは、車高が高めの4輪駆動車です。
今で言うSUVがそれにあたるのでしょうか。
一般道を走っている時4輪駆動が一番能力を発揮するのは、静止状態からのスタート時です。
路面が凍結している時など、2駆の車ではタイヤが空転してしまい、ほんの数センチの段差すら越えられないなんてことも当たり前にあります。
4輪にトラクションがかかる車なら、そのような心配も殆んどありません。
一旦走り出してしまえば、4駆も2駆もそんな変わりはありません。
急ハンドル、急ブレーキなどの急のつく操作をせず、余裕のある車間距離を取って運転すれば問題ありません。
凍結路で一番むずかしいのは減速する時と止まるときです。
スリップ事故の殆んどがこの減速時に発生します。
減速時にも4輪駆動車は威力を発揮します。
まずアクセルからゆっくり足を放してください。
この状態で、4輪全体にエンジンブレーキがかかりますので、車両の姿勢を崩すことなく減速が可能です。
後はロックしないようにジワリとブレーキを踏み、速度を落としていきます。
また東北の冬で注意するべきは路面状況だけではありません。
気象の変化による道路状況も考えなくてはならないことも良くあります。
例えば「地吹雪」と言う言葉を聞いたことがあるでしょうか。
これは雪国特有の現象で、横殴りの風雪が酷い時に良く見られます。
濃い霧の中を走っているようなもので、濃密な雪のカーテンに視界を阻まれ、前走車のテールランプすら見えなくなります。
多重の追突事故や、道路からの逸脱などが多発する、非常に危険な道路状況になります。
逆に晴れているからといって安心できるわけではありません。
積雪の多い道路を晴れた日に走っていると、雪で反射した強い紫外線を受けて目が焼けます。
「雪目」と言われる症状で、目に強い光線を浴び続けると網膜が焼け、その晩に疼くような痛みと、大量の涙に悩まされる事になります。
路面状況にも注意が必要です。
日が陰っている路面は固く締まっているのですが、日当たりのいい路面は溶けてツルツルのスケートリンク状態になっているので、殆んどブレーキが効きません。
このような神経を使う路面状況が交互に現れる事になります。
また、たまに見かける道路の上に落ちているの雪の固まりですが、絶対に避けてください。
あれは雪ではなく、大型の下回りに張り付いていた固い氷の固まりです。
安易に踏みつけると車体下回りや足回りを壊してしまうことになりかねません。
要注意の落下物です。

他にも色々な注意点はあるのですが、挙げ続けるとキリがありませんのでこの辺りで本題に入ります。

今回はキャンプ場の灯りです。

自分はこのキャンプ場で使う照明器具についてはうるさい方です。
色々と試してみたり、他のキャンパーさんの道具を見たり意見を聞いてみたりと、そこそこ試行錯誤も試してみました。
また最近になって進歩が著しいLEDライトなども10個以上買い込んでキャンプ場で試してみたりもしてます。
少し前のLEDライトなど暗くてとてもメインに使える物ではなく、自分のサイトの位置を知らせる常夜灯程度の性能しかありませんでした。
しかし、ここ数年で一気に進化したのには驚きです。
自分も4千円くらいのモノを手にいれてみましたが、圧倒的に明るく、しかも光度の調整や灯りの種類も選べるうえに、温度計と時計までついていて、他のモバイル器機に充電までが可能なのです。
少しばかり重いのが難点ですが、バッテリー寿命も相当長く、三日間程度のキャンプでは1/3も電気を消費しませんでした。
もう一つ手にいれれば他の照明器具は恐らく必要なくなるでしょう。
あとは、ソーラー発電パネルを手にいれれば、天候が良好な時はほぼ無限に夜の灯りを手にいれることができます。


最近手に入れたLEDランタンです。
非常に使い勝手が良いので、夜間の作業時に活躍しています。

ここまでは良いことずくめです。
しかし、考えてみてください。
自分は自然の中に文明の便利さを持ち込むためにキャンプしている訳ではありません。
大好きな自然環境の中での落ち着いたひとときをすごしたいがためのキャンプです。
必要な時以外はできるだけ人工的な光は入れたくないのです。

今まで何度かガソリンランタンやガスランタンを手に入れようか考えた事はありました。
ガソリンランタンの点火前の儀式的な作法やガスランタンの手軽さはどちらも魅力的で、量販店のアウトドアコーナーで、何度か手にとって考え込んだものです。
そんなことが10年程も続き、結局手に入れぬまま今に至っています。
理由は当時のランタンでは、まずホワイトガソリンが高価で専門店でなければ手に入らないこと、ガスも同じような理由です。
しかし時代と共にランタンも進化し、赤ガスばかりか様々な燃料を使用できる、マルチヒューエルのランタンやコンロが出回り出し、ガスタイプも安価なカセットガス使用の物が大半を占めています。
手に入れない理由は無くなりました。
しかし令和のこの時代、メインに使っているのは、やはり古ぼけた灯油ランタンなのです。
現在所有している灯油ランタンは、大、中、小、の3つです。
最初に手に入れた大タイプのランタンは20年以上もキャンプのお供をしてくれました。
どこもモノともわからぬまま量販店で見かけたときに買い求めたものですが、特にどこかが壊れるということもなく、最近まで使っていました。
ただ作りがあまり良くなかったようで、芯をどのようにカットしても煤が出て、一晩でホヤが真っ黒になります。
最初は灯油ランタンなんてこんなものだろうぬと気にせずにいたのですが、後に手に入れた物は比較的綺麗に燃えてくれるので、テントの中に持ち込んでも煤に悩まされる事はなくなりました。


外気の余りの冷たさにテントに逃げ込んできた時の一枚です。
ヒーターばかりかランタンまで総動員して暖を取っています。

まあ、外で使う事がメインなので、余り気にしてはいなかったのですが、最近メンテナンス中に芯を押し上げるパーツについているパッキングが劣化して割れてしまいました。
今さら交換パーツが手に入るわけもなく、なんとか使えないこともなかったのですが、風の強い時や万が一落としてしまった時の危険性を考えて、引退してもらう事にしました。
今は小屋の奥で静かに余生を送っております。
特に灯油ランタンに何かこだわりがある訳ではないのですが、あの優しい感じがする独特な光に包まれて過ごす夜は、自分にとって欠かせないモノとなっているようです。
以前、物は試しとLEDライトだけで夜を過ごそうとしたときがありました。
最初は室内にいるのとさして変わらない明るさに驚き、技術力の進歩に感謝し、いつものように晩飯を食べてからタープ下のビーチベットに横になって一杯やりながら本を読んでいたのですが、何かこう違和感のようなものを感じ始めました。
・・・・?
何かわからぬまま、夜は更け、トイレに行き、戻るときに原因がわかりました。
余りにもハッキリとサイトの様子が見えすぎるのです。
サイトに近づくにつれ、LEDライトのギラつく光が全てを照らしていて車のヘッドライトでも当てられているように映し出されています。

まるで自宅にいるようではないか・・・

違和感の原因はこれでした。
自分は自然の中に包まれたくてここに来ているのです。
そこにワザワザ便利さを求めてどうするのだ・・・

便利さを追求し、様々な機器を集めて作られたのが家であり、街であり都市であれば、その真逆を求めたのが本来のキャンプの姿です。
都市生活という、自分には不自然に感じる環境につかれた心身をリセットしたくて、人気の無い野営場などを選んでキャンプしているのに、何で逆を求める・・・?

サイトに戻り、いつもの灯油ランタンを2つ車から下ろし、ホヤを磨き、芯をハサミでカットします。
だいたいこんなもんだろ。
目分量で灯油を補充し、灯りをともします。
タープを支えている2本のポールにランタンを吊り下げ、LEDライトを全て取り払いました。


先程とは段違いの暗さです。
しばらくすると目が暗さに馴れて、タープ下での作業に支障が無くなります。
コンロに炭を足し、ケトルに水を入れ、コーヒーの準備に取りかかります。
炭火の火加減を確認、網の上にケトルを乗せ、立ち上がったついでにタープの外で身体を伸ばし、顔を上に向けるとさっきまでは見えなかった、満天の星空に気がつきます。
手を伸ばせば届きそう。とは正にこの事で、天の川の輝きまでが手に取るように確認できます。
10メートル程歩き、眼前に広がる湖面に目をやれば、半分に欠けた月が鏡のように澄んだ湖面に映し出され、その向こうには山々の稜線が湖をグルリと囲んでいます。
時おり心地よい風が吹き抜け、木々を揺らします。
胸一杯に深呼吸すれば、人工的な何かの匂いが排除された、本当の空気の匂いというものを感じます。
後ろに視界を戻せば、オレンジ色のどこか懐かしい灯りの中で、ケトルが湯気をたてています。


人工的な光の中では人工的な物しか見えなくなります。
そして自然の灯りの中では、自然のモノたちが見えるようになります。
これは経験してみなければ分からない事です。


太古の昔、初期の人類たちが手にして以来、火が作り出すオレンジ色の灯りは、以降電球が発明されるまで何千年もの間人類に夜の闇を照らす灯りを提供してくれました。
この火を操る術を最初の人類が学ぶ事がなければ、現在の地球文明は成り立たなかったでしょう。
暗闇の恐怖を退け、暖を取り、肉を調理するこを覚え、水を沸騰させ肉や木の実、草の類いを合わせて煮込む事で料理が始まりました。
やがては鉄を土や砂から取り出す事を覚え、このとてつもなく固い物質を加工する技術すら産み出していくのです。

恐らく、現代人にもこの記憶が遺伝子レベルで刷り込まれているはずです。
この記憶が色濃く残っている者は自然の中にあるべき何かを求め、古代の記憶を失ってしまった者たちは、逆に現代科学が作り出す文明に適応し、大都市を構成する素子として、更に文明を進化させていくでしょう。

もしかしたら、灯油ランタンの灯りをどのように感じるか?
が、ソロキャンパーとしての資質を見分ける、1つの目安なのかもしれません。


早いもので2021年もあと数日で終わりを告げます。
今年のキャンプはちょっと不完全燃焼気味で終わってしまいました。
前半は連休と悪天候が重なり、中盤は体調不良に悩まされ、後半は仕事とのバッティングに悩まされました。
特に連休に必ず天候が崩れ、しまいには台風まで連続でぶつかって来たときには、台風なんぞ気化爆弾で吹き飛ばすべきだ!!
天に向かって○指を突き立てたものです。

来年こそは悪天候と連休が重なると言う、何かの呪いじみた現象は終わりにして欲しいものです。

外には静かに雪が降り積もっています。
めったに雪が積もったりしない、ここ八戸では珍しい天候です。
各地でも積雪による混乱が生じているようです。
これからの年末年始、車や電車の移動には十分注意してください。

皆様、良いお年をお迎えください。

では、また。











  


Posted by masada556 at 11:11Comments(0)ソロキャンプ