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2022年07月18日

コットンテントの魅力

こんにちわMASADA556です。


しばらく投稿をサボっていたので2本投稿いたします。
お時間のある方はゆっくりとお付き合いくださいませ。

今回の冒頭は岩手県のとあるキャンプ場から書き始めています。(6月下旬)
ここは年に2~3回は必ず訪れるキャンプ場で、山の中腹から遠くに見える八戸市やその向こうの太平洋が一望できます。
その素晴らしい景観に惹かれ、疲れた神経を癒しにこの静かなキャンプ場を訪れるのです。
日が暮れれば全く人の気配は無くなり、遠くの街の灯りを眺めながら森のざわめきに耳を傾け、山の静謐な空気に包まれるのは最高のひとときです。
コットンテントの魅力

街の喧騒といった人工的な音が一切入ってこない空間なので、仕事中は過度の負担をかけている神経がアイドリング状態に落ち着きます。
他人の声も聞こえないので、何も考える必要がなくなり、自然と頭の中が空になります。
この何も「考える必要のない時間」
という物を作り出すのは大変難しく、自分ではソロキャンプの時だけしか経験できない貴重な時間です。
仕事や梅雨の天候不順の合間を縫ってようやくここに戻って来ました。

いつもの場所にタープを張りテントを立て、準備万端整えて汗をぬぐいながら椅子に座り冷たいドリンクを口にしたとき、
「戻ってきたな・・・」
自然とそんな考えが浮かびます。
出掛けてきたのではない、本来居るべき場所に戻ってきただけなのだ。
この何とも言えない解放感を求めるキャンパーは、自分だけではないはずです。
コットンテントの魅力



ほとんど人気が無く、最高の眺め、静かな山の空気、そしてすぐ横には山の神様を祀った社があり、自分を見守ってくれます。
正に良いことずくめの野営場なのですが、唯一怖いのは時折突風が吹き付けることです。
まあ、海に面した山の斜面なので仕方のない事なのですが、風の強い時に当たるとちょっと怖いです。
冗談事ではなくタープやテントが飛ばされそうになるほどです。
以前天候の問題で時間的な余裕がなく、一泊だけキャンプしようと考え、この夜営場に来たときにやられそうになりました。
夕方晩飯の準備をしている時に何の前触れもなく突然の突風!
2人用の小型テントが押し潰されそうなほど歪み、テーブルの上の道具類が全て吹き飛びました。
幸いな事にガスコンロで簡単な調理をするつもりだったので、炭や焚き火といった火の類いは使っておらず、大事には至りませんでした。
ただその晩は何度も突風に見舞われ、眠れぬ一夜を過ごしました。
翌日、今にも降りだしそうな空模様のなか、撤収を急いでいると、テントを支えているアルミポールのジョイント部分二ヶ所に4センチほどの亀裂が見つかり、テントが倒壊寸前だった事が分かりました。
オートバイでのツーリング用に手に入れた軽量テントだったので、むしろ良くもってくれたと感心したくらいです。
古いものですが、国産の有名メーカーの製品だったことが壊れなかった理由のひとつだと考えます。
以来その夜営場には他のポリエステルのテントではなく、アメリカ製のコットンテントを持って行くことにしています。
一度だけ強風が一日中吹き付ける日がありましたが全く問題とせず、ゆったりとテントの中にお籠りして本を読む時間を過ごす事ができました。
そして今日の現在地の天候は無風となっていますが、実際にはちょっと強めの風がふき、時折突風が吹き抜けていきます。
山の天気予報とは当てにならないものです。


と、言う訳で今回は、コットンテントの魅力。についてお話してみようと思います。

今のところ自分はコットンテントを2つ持っています。
とは言っても同じメーカーのテントの感想なので、なんか違うんじゃない?
などと思われた方がおられましたら、どうか御容赦を。

皆さんはキャンプ地で愛用されているテントのどこに魅力を感じどんな機能を重視していますか。
小型軽量で持ち運びに困らない。前室が広くタープ要らずだ。とても広くファミリーがゆったりと過ごせる・・・
皆さんそれぞれの思い入れがあり、これからのキャンプで様々な思い出作りに一役かってくれる事でしょう。
またキャンプ地での主役として安全な一夜の宿となってくれることでしょう。

但し、全てが順風満帆なキャンプだった。とは行かないはずです。
当たり前ですが自然環境と調和していかなければ成立しない趣味なので、季節、時期そして天候といった事柄に常に配慮していかなければならないと言った難しい側面も持ち合わせています。
春、夏、秋、冬
日本ほど四季の恵まれた国も珍しく、季節ごとに自然が見せる表情も様々です。
また同じ季節でも訪れる場所や時期で、環境は全く変わっていきます。
元々キャンプ場と言うのは高原であったり山中であったり森林であったりと街とは大分違った環境に作られていることがほとんどなので、その辺りを十分考慮にいれて持っていくテント、タープ、道具類を判断しないと、もしかしたら大変な目にあうかもしれません。

そこで、○○キャンプ場に週末に行こう。と考えた時、装備で真っ先に考えるのはやっぱりテントです。
気温、風、天候、距離、宿泊日数、環境、キャンプ場の混み具合、キャンプサイトの大小・・・
そんなところをプラスマイナスしながら考えます。
そのような条件を加味した結果、やはり行き着くのはいつものコットンテントなのです。
勿論人が作り出した道具ですから100%目的に合致している訳はありません。
その辺りの条件は少しばかりの工夫と他の道具類で補えば良い事なので、ベテランの腕の見せ所。と言った所でしょうか?

まず、このテントの特徴として最初に上げるのは、物凄く丈夫と言うか頑強に作られていることです。
それは海外のキャンプ動画などでも多数アップされています。
雪深い真冬の山間部や、すさまじい雪嵐が吹き付ける大雪原などでも問題なく耐えきってしまう頑強さに、ベテランハンターから極地の自然を愛し、何週間でも僻地で生きていけるようなヘビーユーザーなどに信頼と人気があるテントメーカーです。
その代償として、とても重く、梱包状態も大きくてかさ張ります。
穏やかな季節だけを楽しむライトなユーザーには明らかなオーバースペックとなります。
また、それなりに高価なテントですので、購入を考えるならば、少しばかり慎重な判断が必要かもしれません。
当然ですが、徒歩、オートバイ、自転車などでのキャンプでは運搬がほぼ不可能なので、あくまで車両を利用したキャンパーを対象としています。
まあ、前置きはここまでとしましょう。

今のところ、一泊~二泊程度のキャンプでは小型の2人用を、それ以上の時は4人用の物と、大体そんな感じで使い分けています。

今回は4人用のモデルで利点や欠点を話していきます。
コットンテントの魅力



幾つもの特徴を持ったテントですが、先ず設営の簡単さが上げられるでしょう。
但し国産モデルでは類を見ない独特な設営方法ですので最初は戸惑う事でしょう。
またテント自体の重量を持ち上げるような組み方なので、それなりの腕力と少しばかりのコツが必要です。
キャノピー以外はガイロープを一切必要としない反面、4人以上のテントとなると、かなりの数のペグを打ち込んで固定する形でテント自体を安定させています。
ドーム型テントのような手軽さはありません。
では中に入ってみましょう。
最初に目につくのは、分厚いビニール素材でできたフロアでしょうか。
触ってみればわかりますが、穴でも開けない限り浸水することはありません。
ただ独特の薬品のような匂いがするので、ちょっと気になるかもしれませんね。
自分にとっては我が家の香りのようなものです。
そして一番に感じるのは、ロッジ型テントの特徴でもある中の広さでしょう。
ほぼ垂直にウォールが立っているので、四角形に近い構造がもたらす広さは、他の構造のテントとは比較になりません。
身長170センチの自分が当たり前に立って歩けるだけの高さもあり、圧迫感と言うものを感じることはありません。
まるで小さな部屋の中にいるような感覚を覚えます。
ウォールの繊維がコットンであるために、光や風などの遮断性が高く、ペラペラのポリエステルとは違い、壁のような安心感があります。
夜はゆったりと熟睡できますよ。
コットンテントの魅力



そして一番気になるところ、雨に対してはどうなの?

今まで2回ほど集中豪雨に見舞われましたが、全く問題としませんでした。
雨が降るとコットン生地が水を吸い込み、繊維が膨張して浸水を防ぐという面白い発想を元に作られているのです。
コットンテントの魅力


天井部分に水たまりができていますが、内側に染み通ってくるくることはありません。
またウォールの外側は撥水性も抜群で、浸水の不安を感じることはありません。
もう1つ、テント最大の問題である結露に対してですが、これもまた問題ありません。

当然結露はするのですが、ポリエステルのように内壁一面に張り付き
雨のように滴り落ちてくる。といった心配とは皆無です。
発生した水分はコットン生地に吸い取られ、ほとんど水滴が発生しません。
ウォールを触ってみると、柔らかな繊維が水分を吸い込んで、微かに湿っているのが分かります。

これには驚きました、シングルウォールタイプのテントの厄介な問題はこの結露で、特に外気とテント内の温度差が大きいときは、テント内側がびしょ濡れになります。
これが寝具を濡らし、寒い時期の連泊キャンプでは意外な障害となります。
羽毛入りの寝袋などは結露を吸収しやすく、ひどく濡らしてしまえば冬季の連泊ならば諦めなくてはならなくなるほどです。
コットンテントならば、その心配も余りしなくて良いようです。

このメーカーのテントに限った事ですが、入り口が大きく取られ、正面と裏側にも同じように出入りができるので物の搬入や出入りにストレスを感じる事がありません。
その他にも大きな小物入れやウォール両側についているランタンフック、結露を防ぐためのベンチレーター、入り口両面の大きな網戸は真夏でも十分な外気を取り入れてくれます。入り口を覆うキャノピー、ここに椅子と小さなテーブルを置いておけば、小雨程度なら問題なく過ごすことができます。

キャンプそしてテントと言うものを、十分理解している人間が設計したテントであると思います。
アメリカ人らしい機能的で合理的なテントです。

色々と誉め契りましたが、1つだけ困ったことがあります。
設営の簡単さは最初に説明しましたが、逆に撤収の時がいささか大変なのです。
キャンプの数日間が好天であればさしたる問題は無いのです。
陽射しと風で十分に乾かし、よいしょと畳んでしまえばいいのですが、途中で雨に見舞われると撤収の手間が倍位に跳ね上がります。
このテントの耐水性の1つであるフロアのバスタブ構造が少しばかり問題なのです。
ご存じの通り、テントのフロアがウォールまで立ち上がっている構造をバスタブ構造と言いますが、このテントは更にウォール部分が地面から持ち上がる構造になっているので、降った雨がフロアシートとその下に敷いているグラウンドシートの間に入り込み、いつまでも乾かないのです。

そんな時の撤収手順はこうです。
先ずはテント本体を徹底的に乾かします。
どんなテントであれ、これを怠るとカビの原因になります。
次からが問題です。
まず乾いたタオルを7~8枚準備し、ポールを解体したテントを両端から真ん中に向けて畳んでいきます。
コットンテントの魅力



するとフロアシートの下にデッカイ水溜まりが出来ている訳です。
コットンテントの魅力



テントを濡らさないように慎重に畳みながらシートの水をタオルで拭き取っていきます。
拭き終わったらそのまま風に当て5~7分程も乾かし、また折り畳んでは拭き取りを繰り返すのです。
両辺を真ん中まで畳んだら、別に広げたシートまで持っていき、そこで残った水気を拭き取り、畳んで袋に押し込みます。
そしてプールのようになっているグランドシートも、また拭き取って乾かし畳みます。
この作業に、ざっと1時間はかかります。
乾きが悪ければ当然もっとかかります。
五月のキャンプの時は、畳んでいる最中に2度も通り雨に降られ、最悪でした。
なんと撤収に3時間を要しました。
せっかく乾かしたテント、タープを始め、ずぶ濡れになったギアを拭き取り、乾かすといった作業を3回も行った訳ですから・・・
自分はギアに何か問題が起きない限りキャンプ場で全ての事を完結させます。
自宅に戻ってからギアを広げて何かをするといった事は絶対しません。
しかしこの時だけは流石の自分も心がくじけそうになりました。

適当にジープに突っ込んで家で乾かすか・・・?
しかし、キッチリ梱包しないと車の中に積みきれない事は事前に分かりきっていることです。
なにせ運転席以外に空いているスペースはないのですから。

管理人さんに預けて、後で取りに来ようか・・・?
しかし、仕事の都合で来れるとしても、一週間後です。
ずぶ濡れのギアを一週間放りっぱなしにしては、錆びとカビで全滅することは目に見えています。

濡れた椅子に座り込み、また強くなってきた陽射しにため息をつきながら温くなったコーラで一息ついて、3回目の撤収作業に取りかかりました。

実はこのテントの購入を考えた時最大の難関はこの撤収時の天候でした。
フロアシートの事は別としても、重量や梱包時の大きさから考えて、雨天時の撤収は無理に近いと考えていたからです。

結局手に入れて以降、このテントでのキャンプ後半には撤収のタイミングを考えて、天気予報とにらめっこといった状態です。

これだけはポリエステル製のテントには敵いませんね。
薄く非常に軽い材質なので、5分も日に当ててやれば乾いてしまいます。
かかる手間も1/3程度でしょう。
そんなことは分かりきっているのに、なぜか大きくて重いコットンテントをジープの荷台に積み込んでいる自分なのです。
そして最後に、大した問題ではない・・・いや嫌いな人には大問題でしょう。
実はこのテントメチャクチャ虫にたかられます。
2年前の秋にはテントに地蜘蛛が取りついて離れず大変でした。
自分は刺してくる虫以外はあまり気にしない質なのですが、
いくら払い落としてもテントに取りつこうと全速で駆け戻ってくるのでキリがありません。
仕方なく蜘蛛を踏み潰しながらの撤収という何ともゾッとしない作業となりました。
虫たちにとってもコットンの肌触りというのは魅力的に感じるようです。
何とも迷惑な話なのですが・・・


書き終わったら撤収に入ります。
キャンプ場で原稿を書き上げたのは久しぶりです。
天気予報がまた急遽変更されて、明け方から3時間ばかり強い雨が降りました。
現在11時16分です。
タープの下で外気温32°、厳しい陽射しが照りつけ、風も時おり突風が吹き付けてきます。

さあ、大仕事の始まりです。
では、また。

PS
実はキャンプの帰りに少しばかり寄り道したのですが、ちょっと奇妙なモノを見つけました。
自分は帰りに時間があれば必ずどこかに寄り道してしまう癖があります。
一番多いのは新たにキャンプ場を見つけて歩いたり絶景ポイントを探してジープを向かわせます。
今回も心当たりのある山の中向かってハンドルを切りました。
全く対向車とすれ違うことのない山道を20分ばかり走らせ、目的の場所を見つけました。
綺麗に整えられた場内を走り、駐車場に車を止めると、目の前には連なる山々とその向こうの太平洋が日差しに照らされて素晴らしい展望を見せてくれます。

スゲーっ最高じゃん!!

思わずそんな声が出ました。
早速車から飛び降り景色を満喫すると、施設を見学させてもらうことにしました。
管理棟に向かうと無人のようで、問い合わせ先などが壁に貼りけてあります。

一通り目を通して、場内を散策します。
芝生も手入れされゴミ一つ落ちてません。
炊事場も手入れされ、水も出ます。
中々魅力的な所なのですが・・・・何の音もしません。
つまり誰一人人がいないのです。
林間サイトなる所に向かってみましたが、斜面がやたらと急なうえに舗装されていないのでキャンプ道具を抱えてここまで上がってくるのはまず無理です。
更にその道を上っていくと頂上付近に子供用の遊園地が現れたのには驚きました。
木々に埋め尽くされそうになりながらも、滑り台、階段、スロープ、ロープ通路などが組み合わされた結構大きくて色鮮やかな遊戯施設が森に包まれながら、ポツンと存在しているのです。
余りの違和感に背すじにゾクリとした寒気を感じます。
綺麗に整備されついさっきまで子供たちが遊んでいたような錯覚を覚えるほどです。
施設を横にそれて上を見上げると、草木に覆われた東屋が見えたので、よいしょと登っていくと、

ジャリ、ギシっ・・・・

何かが東屋の中で歩いているような音がします。
首筋が泡立つような嫌な感覚に思わず足を止めそうになりました。
コットンテントの魅力



結局人などいる訳もなく、朽ちかけた東屋があるだけでした。

誰も来ない山奥の遊園地。

何とも奇妙で生理的な怖さを感じます。
夕日の中、足早に森を抜けジープに乗り込み、ディーゼルエンジンの心強い音に軽くため息をついて、施設を後にしたのでした。






















































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